研究で求められること

2.遺伝資源を利用する研究で求められること

生物多様性条約の第3の目的は、遺伝資源の利用から生ずる利益は公正かつ衡平に配分することになっています。遺伝資源へのアクセスと利益配分に関する基本的な考え方はボン・ガイドラインにまとめられていますが、ボン・ガイドラインはお互いの信頼関係を基本としており、法的な強制力はありません。
さらに、アクセスと利益配分を実行性の高いものにするために、2010年に名古屋で開かれた締約国会議(COP10)で、名古屋議定書が合意されました。名古屋議定書では、利用国国内で行われる遺伝資源利用研究のモニターを強化することが含まれており、日本でも国内の利用研究開発活動のモニター措置が検討されています。

一方、学術研究では、研究者が所属する学会等が定める遺伝資源に関する規範あるいはガイドラインに従うことが求められています。
遺伝資源を利用する学術研究活動を開始するにあたって
日本人研究者個人として資源国の遺伝資源を利用する学術研究を行うことは比較的稀と思われます。資源国の大部分は、外国人研究者単独で資源国内で研究することは禁止しており、資源国にある大学あるいは研究機関との国際共同研究を計画することが一般的です。
国際共同研究を計画するために、資源国の研究者と共に研究計画を作成し、両方の機関の合意をとることが必要です。合意書には、研究計画、参加研究者、研究資金、研究期間、成果予測などの基本事項が必要となります。

資源国において生物多様性条約という国内法が制定されていれば、それにしたがって政府との交渉を進めます。しかし、国内法を制定している国は少ないのが現状です。未制定の資源国と交渉する場合は、その国が生物多様性条約に加盟していれば、生物多様性条約の条項に従って、手続きを行うことになります。特にアクセスと利益配分に関しては、ボン・ガイドラインが制定されているので、それにしたがって交渉します。

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