大学等の海外遺伝資源の円滑な使用を支援

メキシコからの遺伝資源ハヤトウリの取得

遺伝資源取得の事例:筑波大学

1タイトルメキシコからの遺伝資源ハヤトウリの取得
2国名メキシコ
3遺伝資源の種類植物遺伝資源ハヤトウリ(Sechium edule
4提供機関科学研究系NGOであるメキシコ・ハヤトウリ学際研究グループ(Grupo Interdisciplinario de Investigación en Sechium edule en México, A.C.; GISeM)がメキシコ国内の農家から収集・保存していたSechium eduleの5系統を筑波大学に提供。GISeMの代表者であるメキシコ農業科学大学院大学のホルヘ・カデナ・イニゲス(Jorge Cadena Iñiguez)教授は、筑波大学、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)とメキシコ国立遺伝資源センター(Centro Nacional de Recursos Genéticos; CNRG)との共同プロジェクト(メキシコ遺伝資源に関するSATREPS)のメンバーでもあった。
5契約内容CNRGの上部機関であるメキシコ農牧林研究所(Instituto Nacional de Investigaciones Forestales, Agrícolas y Pecuarias; INIFAP)と筑波大学、農研機構は、SATREPS開始時にMOUを結んだ上でハヤトウリを含む6種のメキシコ遺伝資源に関するプロジェクトを進めていた。MOUの中の遺伝資源に関する項目において、メキシコ‐日本間での遺伝資源の交換があり得ることに触れている。

名古屋議定書が遺伝資源取得条件の一つとして定める「事前の情報に基づく同意(prior informed consent; PIC)」は、本事例では2種類存在する。GISeMが農家から取得したPICと、筑波大学がメキシコ農牧省下の全国種子検査認証サービス機関(Servicio Nacional de Inspección y Certificación de Semillas; SNICS;competent national authoritiesの一つ)から取得したPICである。これらのPICをベースとして、SNICSは科学研究を目的とした植物遺伝資源へのアクセスに限定したPICのひな型を作成し、2017年10月に、ABSクリアリングハウスに掲載した。その中では次のような事項が記載されている。①研究課題を変更又は商業利用に目的を変更する際は、遺伝資源利用者は提供者と使途変更に関する法的文書を取り交わすとともにSNICSに届け出ること、②研究プロジェクトに第三者が参加する場合は、利用者は彼らと法的文書(遺伝資源の自由な使用を制限する守秘義務条項を含む)を取り交わすとともに提供者に通知しSNICSに届け出ること、③生息域内で遺伝資源にアクセスする場合、利用者は採取した遺伝資源サンプルの予備をCNRG又はSNICSが指定する保全センターに保管すること、④利用者は研究成果となる情報を遺伝資源提供者に提供するとともにSNICSに届け出ること、⑤研究の進捗50%の時点で中間報告書を、かつ研究課題ごとに最終報告書を提供者に提出するとともにSNICSに届け出ること、⑥知的財産権が生じる場合は参加の度合いに応じて両当事者に帰属すること、⑦PIC締結によって生ずる権利は、遺伝資源提供者の書面による事前の同意がある場合を除き国内外のいかなる自然人及び法人にも譲渡してはならないこと。

本事例における「相互に合意する条件(Mutually Agreed Terms; MAT)」は、GISeMと筑波大学との間で設定された。2017年10月にSNICSが公表したMATのひな型は、遺伝資源利用者と提供者との間で設定する利益の配分(金銭的及び非金銭的利益)が主項目である。その他、第三者の参加、報告書類、知的財産権、成果の公表、技術的解釈、譲渡、SNICSへの通知等の項目を定めている。このひな型は、本事例のMATの内容がベースになっている。

また、本事例では上記のMATが「素材移転契約(Material Transfer Agreement; MTA)」の要素を併せ持ったものとして、メキシコ政府においても了解されたため、独立した文書としてのMTAは作成していない。ただし、2017年10月にSNICSが植物遺伝資源へのアクセス申請への対応に関する暫定手続きを公表したため、現在では、MATとは別にMTAを用意することが基本となると思われる。

6政府許可メキシコ農牧省SNICSから、植物遺伝資源ハヤトウリの日本への移転に関する許可を取得した。
移転に当たり、メキシコ農牧省・食品衛生安全品質管理局(Servicio Nacional de Sanidad, Inocuidad y Calidad Agroalimentaria; SENASICA)から植物検疫証明書を入手している。
7手続き期間メキシコ農牧省 農牧林研究所(INIFAP)とのMOU締結:4ヶ月
メキシコ農牧省 全国種子検査認証サービス機関(SNICS)からの国際移転許可:9ヶ月
8関係した法律・規制メキシコ 生態系バランスと環境保護に関する一般法(Ley General del Equilibrio Ecológico y la Protecciónal Ambiente)
メキシコ 植物品種連邦法(Ley Federal de Variegates Vegetares)
メキシコ 植物衛生連邦法(Ley Federal de Sanidad Vegetal)
メキシコ公式規格(Norma Oficial Mexicana NOM-126-ECOL-2000)等

←事例集一覧に戻る

ABS情報データベース

ABS情報データベース

PAGETOP
Copyright © 国立遺伝学研究所ABS学術対策チーム All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.