大学等の海外遺伝資源の円滑な使用を支援

ラオス

MGL ラオス

最終更新日:2021年4月1日

生物多様性条約 締約国(1996年12月19日)
名古屋議定書 締約国(2014年10月12日)
食料農業植物遺伝資源条約 締約国(2006年6月12日)

概要

・ASEAN諸国の中ではABSに関して比較的柔軟な対応を取っている国であり、ラオスの遺伝資源を用いた国際共同研究に
ついてもかなり積極的だと思われる。
・ABSに関する国内法令・手続き等は未だ整備段階にある。
・遺伝資源の利用・国外持出しについては既存法や、従来の手続きに従って行う。
・ラオス政府の公式なABSに関する許認可権限を持つ部局は科学技術省、生物工学環境研究所 (BEI/MoST: Institute of
Biotechnology and Ecology, Ministry of Science and Technology)。
・森林資源、薬草などはBEI/MoSTからの許可に加えて、既存法に対応するために農林省(森林資源)、保健省(薬草)など
からの許可が必要となる場合もある。
・BEI/MoSTは共同研究契約の条文の利益配分などで大きな問題がない場合には、基本的にスムーズに許可証を発行する
方針を取っている。
・特に学術研究については国際遵守証明書(IRCC)の発行の手続きを進める傾向があり、2021-03-30現在で11件のIRCCの
発行が行われている。
・BEI/MoSTのABS Officeがきめ細かい相談対応を行う。(この部局の指示に従った手続きを推奨する)
・MoSTによるラオスのABSに関する手続きの案内(ラオスABS手続きパンフレット ラオ語/英語)が発行されているが、
ここで紹介されている「先に政府許可、後から契約」の順で手続きを進めるのは政府間プロジェクトなど特殊な場合で、
通常は「先に契約、後から政府許可」の順が多い。

許可取得手順

1)日本人研究者が生物をラオスを探索して、サンプルを自ら持ち帰る場合
・第一に日本人研究者とラオス人研究者が所属する機関間の共同研究契約を締結する。
・契約内容には目的や対象となる遺伝資源や利益配分の記述が必須となる。
・BEI/MoSTのABS Officeに対してアクセス許可のための申請書(*)を提出する。
アクセス許可申請書 英語版(WORD形式)
内容については、和訳 ABS学術対策チーム仮訳(PDF形式)を参照して下さい。
・他の省庁からの許可などが必要な場合は、ABS Officeが仲介するので、案内の通りに手続きを進める。
・BEI/MoSTが申請書の内容を確認し、ABSに関する承認を行う。(場合によってはIRCCの発行手続きが取られる。)
・遺伝資源の持ち出しには機関間のMTAの取り交わしが必須となる。
・外務省が発行する研究ビザの取得は難しいとのこと。大学を通した申請を推奨された。

2)ラオス人留学生が日本にラオスのサンプルを持ち出す場合
・ラオス人留学生がBEI/MoSTに対して輸出許可(Transfer Permission)の申請を行う。
・申請書には遺伝資源の利用の目的・方法などを詳細に記載する必要がある。
・申請の際、同時に、学生証、共同研究契約、(必要な場合)管轄省庁の許可証などの提出が必要になる。
また、日本の所属大学がラオス人学生の研究の必然性をレターなどで保証しなければならない。
(レターは、少なくとも学部長、出来れば学長名義であること、さらに学生の研究に当該遺伝資源が必要不可欠であり、
遺伝資源の取り扱いについてラオスのレギュレーションに従うことを誓約・保証する旨の記述があることが望ましい。)
・BEI/MOSTは書類を確認し、ABSに関する承認を行う(IRCC発行手続きを行うことも可能)。

3)ラオス人研究者が日本にサンプルを送付する場合
・ラオス人研究者がBEI/MoSTに対して輸出許可(Transfer Permission)の申請を行う。
・申請書には遺伝資源の利用の目的・方法などを詳細に記載する必要がある。
・外国人研究者とラオス人研究者の所属機関の間で共同研究契約が締結されている必要がある。

注意点:
・いずれの場合も外国人による遺伝資源のアクセスはラオスとの共同研究の一環であることが前提である。
・海外への持ち出しは、その必要がある場合にのみ許可される。(ラオス国内だけで完了が可能な共同研究提案であれば
持ち出す必要はないため、海外持ち出しの許可は出にくくなる。)

関連法規など

1. 遺伝資源へのアクセスとその利用から生じる利益の公正かつ公平な共有に関する国家的枠組み(2013)
/National Framework on the Access to Genetic Resources and the Fair and Equitable Sharing of
Benefit Arising from their Utilization (2013) https://absch.cbd.int/database/record/ABSCH-MSR-LA-238428
[内容概略]
法令ではなく、ABSに関する国家としての目標を含む大きな枠組み。このため具体的な利益配分の数字等は記述されて
いない。主要なアドバイザーとしてASEAN生物多様性センターが参加しており、途上国寄りで伝統的知識やコミュニティ
を重視した制度設計が奨励されている。将来整備される予定であるラオスのABS関連法の方向として参考になる。

2. 生物工学安全法(2014)/Biotechnology Safety Law (2014)
https://absch.cbd.int/database/record/ABSCH-MSR-LA-238954
[内容概略]
現在、ラオスにおけるABS関連法と呼べる法律は、2014年に施行されたこの生物工学安全法(Biotechnology Safety Law)
のみであり、ABSに関連する内容は第22条と第24条に記述されている。第22条「伝統的知識」では、伝統的知識の利用
奨励と保護、及び利用によって生じる利益の配分について、第23条「遺伝資源へのアクセスと利益配分」では、アクセスの
条件として環境への配慮、利益や技術移転などの配分について記述されている。

3. 森林法(2007)/National Forestry Law (2007) http://extwprlegs1.fao.org/docs/pdf/lao89474.pdf
[内容概略]
ラオスでは森林は国に所有権があるが、森林を利用・管理する地域社会に一定の権利が与えられている。ABSに関する直接
の言及はないが、遺伝資源についても国と地域社会からの合意が必要になる可能性がある。

4. 薬品に利用される天然資源に関する法令第155号(2003)
/Decree on Natural resource for medicines (Pharmaceutical Natural resource) (2003)
https://www.laotradeportal.gov.la/kcfinder/upload/files/Decree%20No.155%20-%20Eng.pdf
[内容概略]
ABSに関する直接の法制度ではないが、薬用天然物を利用する者は、医薬品法、森林法、など関連法を遵守して採集、
移送、保管、製造しなければならないことが法で定められている。第8条-第10条が特に重要であり、薬用天然物の
許可取得方法、生態系の回復義務、管轄権についての記述がある。

5. ラオス人民民主共和国におけるアクセスと利益の共有と生物の流通に関するガイドラインとモデル条項(2020)
/Guidelines and Model Clauses on Access and Benefit Sharing and Biotrade in the Lao People’s Democratic
Republic (2020) https://unctad.org/system/files/official-document/ditcted2020d1_en_1.pdf
[内容概略]
ラオス科学技術省とUNCTAD (国連貿易開発会議)が共同で作成した、ラオスの現状、対応などについてのガイドライン。
Annex 5(モデル契約書条項)はかなり包括的な内容であり、契約を結ぶ際には大変に参考になる。

連絡先

ABSについての国内の中央連絡先(National Focal Point:NFP)および
権限ある国内当局(Competent National Authority:CNA)
https://absch.cbd.int/countries/LA

その他

ABS相談窓口 (ABS Office)/科学技術省 生物工学環境研究所
Biotechnology and Ecology Institute, Ministry of Science and Technology
Dontaew Village, Xaythany District, Thagon Road, Vientiane, Lao PDR
Phone: +856 21 732207
Fax: +856 21 740630
Emails: sourioudong@yahoo.co.ukkongchaybeechan@gmail.comviengpasith@yahoo.com
radavanh@gmail.comksihavong@live.com

参考になるサイト

日本バイオインダストリー協会(ラオス情報):https://www.mabs.jp/countries/laos/index.html
農林水産省(各国情報):https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/GR/s_win_abs.html#kakkokujouhou

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