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faq003

質問

海洋生物の取り扱い、特に公海及び深海底にある海洋遺伝資源

回答

国連海洋法条約は1982年に採択され、1994年に発効した条約である。国連海洋法条約では、「海洋においてすべての行動を実施する上で必要な法的枠組みを示し、海洋部門における国、地域、世界の行動及び協力の基盤として戦略的に重要なものである。」とされている。
国連海洋法条約は、沿岸国がさまざまな権利を行使することができる。
・沿岸国は、その内水及び領海において、水柱、海底及びその下にある生物天然資源及び非生物天然資源に関する主権を行使する。
・沿岸国は、その接続水域、排他的経済水域、及び基線から200海里の距離までの大陸棚において、水柱、海底及びその下にある生物天然資源及び非生物天然資源の開発、保存及び管理に関する主権的権利を享有し、海洋の科学的調査及び海洋環境の保護を管轄する。
・沿岸国は、延長大陸棚(基線から350海里を超えない、又は2500メートル等深線から100海里を超えない大陸棚)において、海底及びその下にある非生物天然資源並びに定着性の種族――すなわち「海底もしくはその下で静止しており、又は絶えず海底もしくはその下に接触していなければ動くことのできない」生物――に関する主権的権利を享有する。
したがて、ここで決められた海域では、海洋遺伝資源に生物多様性条約と同様の主権的権利が及ぶものと考えられている。例えば、ブラジルでは、主権的権利の及ぶ海域における遺伝資源へのアクセスと利益配分は、生物多様性条約に関するブラジル国内法令に従うこととなっている。
しかし、国家管轄権外の海域、すなわち公海及び深海底にある海洋遺伝資源は、生物多様性条約の適用範囲に含まれないと理解されている。国連海洋法条約では、国家管轄権外の海域、すなわち公海及び深海底にある海洋遺伝資源に関して取り上げられていない。この国家管轄権外の海域、すなわち公海及び深海底にある海洋遺伝資源に関する問題は、国連総会で取り上げられ、「海洋と海洋法」に関する決議では、法体系の確立を求めている。2004年に、国家管轄権外の海域における海洋生物多様性の保全及びその持続可能な利用に関する問題を調査するアドホック・オープンエンド非公式作業部会が、国連総会によって設立されている。

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