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faq007

質問

インターネット上で、「ある食品にある病気治療効果がある」という情報があり、ある食品から薬効成分を特定した。この場合、特許出願や事業化が可能か?ある食品は(1)日本国内にもある場合(2)日本国外にしかない場合に分けて説明してほしい。

回答

インターネット上で「ある食品にある病気治療効果がある」という情報は風評というものと考えられる。風評が伝統的知識といえるかどうかは議論があり定まっていない。その風評が一時的ではなく固定化されたものでなければ伝統的知識とは言えないからである。逆に風評が文献に基づいたものであり、その文献が古い昔のものなら、伝統的知識といえる。例えば江戸時代の養生訓のような書物から出ていれば特定が可能である。このように、風評は所有者を特定することは困難だが、証拠があれば特定することはできる。風評を利用する場合、その起源を調査することが必要になる。
風評あるいは伝統的知識を利用して、研究した結果成果が得られたということになる。薬効は上記インターネット上の公知情報になる。風評が伝統的知識かどうかの疑問はあるが、それを利用したことは間違いない。伝統的知識の利用の場合は許可が必要だが、この場合保持者を特定するのは困難である。
伝統的知識という公知事実をもとに薬効成分を特許とできるかだが、新規物質なら薬効を言わなければ特許化は可能である。インターネット上の公知事実より顕著に効果が高くなければ進歩性に問題が生じる。以上から特許は取れる可能性はあるが、相当脆弱な特許になる。全く異なる薬効なら特許化は可能である。
事業化の観点からすると、公知事実として薬効自体はだれでも使えるので、特に化合物を使わなければ、特許侵害の心配はない。逆に特許権者は独占性を保つことは難しいことになる。したがって、事業はぜい弱になると予想することができる。

利用した遺伝資源(ある食品)が日本国内にもある場合、伝統的知識を無視すればPIC取得の問題はない。伝統的知識が関与する場合アクセスをどうするか法的に決まっていない。インターネット上の情報なので利害関係者を同定することは困難であり、MATを結ぶことができない。利益のなんらかの社会還元をすることが望ましい。
利用した遺伝資源(ある食品)が日本国外にしかない場合は、政府の権威ある当局からPICを取得することが必要となる。伝統的知識に関する制度がある場合はそれに従うことになるが、インターネット上の情報に許可制度を設けることはできないので、おそらく自由なアクセスを容認するものと考えられる。MATについても当事者不明なので、政府機関との契約になる可能性が高い。

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