大学・研究所での学術研究に対する名古屋議定書/ABS対応のスペシャリスト

faq025

質問

条約発効以前に入手したサンプルの新たな利用はどうなるのか?

回答

利用国では、下記に述べるように生物多様性条約発効以前に取得した遺伝資源には条約の効力は及ばないとの立場をとっているため、生物多様性条約発効前に取得した遺伝資源は自由に利用はできると考えられている。しかし、生物多様性条約発効以前に取得した遺伝資源の取り扱いについて、利用国と提供国の間で意見が対立しており、名古屋議定書でも明確な合意には至っていない。日本を含む利用国の主張は、そもそも条約というものはその発効によって効力を生じるのであるから、それ以前のものには及ばないという条約法に関する条約を根拠にしている。一方提供国は、生物多様性条約発効以前に入手したものであっても遺伝資源の利用が発効後ならは、生物多様性条約の効力が及ぶとの意見を表明している。
したがって、今後の議論によって、生物多様性条約発効以前に取得された遺伝資源の利用について新たな考え方が導入される可能性が残されていると考えられている。そこで、生物多様性条約発効以前に取得した遺伝資源を利用するには、上記の事態を予見した取り組みが望まれる。保存している遺伝資源の出所に関する情報を明確にして、証拠書類を保存することが必要である。これは、いつどのような経緯で入手したのかという情報が重要であるからである。
生物多様性条約発効前の遺伝資源を利用する場合、もし遺伝資源の取得先が明確なときは、その国の権威ある当局と相談し合意を得ることも一つの解決手段ではあるが、その国の取り組み姿勢を考慮しなければならない。このような手段がうまくいかない場合、よほどの貴重で入手困難な遺伝資源でない限り、代替物を探す方が早道になると思われる。

←質問ページに戻る

PAGETOP
Copyright © ABS学術対策チーム All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.